電力自由化とは

市場連動型とは?電力価格高騰で電気代が数十倍に!

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2020年12月中旬~2021年2月に掛けて日本卸電力取引所(JEPX)の電力取引価格が高騰しました。この電力価格の高騰によって新電力会社の一部が導入している「市場連動型プラン」の電気代が大きく上昇し、一般の消費者にも大きな影響が出ました。今回は新電力会社が扱っている「市場連動型」について解説していきます。

市場連動型とは

まず初めに市場連動型について説明いたします。一般的には新電力会社などの電力会社が電気の市場「一般社団法人 日本卸電力取引所(以下JEPX)」から仕入をした電気の値段が電気代の従量料金の値段に反映されます。市場連動型以外のプランでは電気代は「1kwhあたり○円」など決まっていますが、市場連動型の電気料金の単価は30分毎に単価が変わるため、市場価格が安いときに電気を使うことができれば、 電気料金を抑えることが可能です。もちろんその逆の場合もあり市場価格が高いときは電気代が上がります。市場の価格に左右されるのが市場連動型になります。

市場連動型の仕組み

市場連動型はどのような仕組みになっているのでしょうか?2016年の電力自由化がスタート以来、2021年の現在までに新電力会社は600社以上参入しておりますが、新電力会社のほとんどの会社は自社で発電施設を持っておりません。小規模の太陽光発電や風力発電所を保有しているだけであり契約者の全ての電力を自社で供給することはできず、自社で供給しきれない電力を電力をJEPXで調達しております。発電所を持たない新電力会社もJEPXから仕入をすることによって電力販売ができるようになりました。

このグラフは2020年2月24日のJEPXの全国平均取引価格になります。この電力価格は電力需要に応じて30分毎に変動します。この日の最高価格は約11円KWになり最低価格は約5円KWとなっております。冬場の寒い日や夏場の暑い日など電気の需要が高まると価格が上昇します。夜間は電力の需要が少ないため電気の単価も下がる傾向になります。この仕入価格が2020年の年末から2021年の2月に掛けてLNGの不足と全国的な寒波の影響により1KWh当たりの金額が通常の10倍以上200円以上まで値上がりになりました。このように市場連動型とは仕入価格が変動する仕組みですが、この変動する仕組みを新電力会社が消費者向けに提供しているのが市場連動型になります。

市場連動型プランのメリット

メリット① 電気代が削減できる

先ほどから電力の需要が逼迫し電気代が高騰しているとお伝えしておりますが、高騰するのは一時的です。一般的な電気料金は1kwh当たりの単価は○○円と固定されていますが、それは新電力会社の変動のリスクを計算し、ここまで仕入が上がっても利益が出るという単価設定がされております。市場連動型のプランでは市場での価格に手数料を加えて電気の単価を設定しておりますので市場単価が安ければそれだけ消費者はメリットがでます。特に夜間の電気は安いため夜にたくさん電気を使用する方は安くなりやすいです。1年間利用すれば平均的には大手電力会社より電気料金も削減できる可能性はあります。

メリット② 環境意識の高まり

新電力に変更する前はほとんど電気の需要はあまり関心がなかった人が多いと思いますが、新電力の市場連動型プランを利用することで電力の需要と供給を意識することで環境意識が高まります。特に自然電気は100%自然エネルギーで賄えますので電力を切り替えるだけで環境問題に貢献できます。

メリット③蓄電池を利用すれば大きな節約ができる

電気を貯められる蓄電池は夜間の安い単価の電気を蓄電池に溜めて、日中の単価が高いときに蓄電池を充電しとけば、日中の割高な電気を購入することなく節電でき効果があります。

市場連動型プランのデメリット

デメリット①市場価格高騰の影響を受ける

市場価格が安定していれば問題ありませんが、冬場の電気の需要が高まるときや夏場の猛暑の日など市場の電気価格が高騰した時は、そのままダイレクトに市場の影響を受け、電気代が大幅に値上がるリスクがあります。

デメリット②予測が立てずらい

毎日価格が変動しますので、1ヶ月後や半年後の電気の仕入がどれくらいになっている予測が立てずらい。商売を行っている人にとっては電気の経費が予測できず不便に感じることもあると思います。

市場連動型プランがある電力会社

2021冬場に非常に高騰した市場連動型プランですが、現在市場と連動するプランを提供している会社を紹介します。

【自然電力】:自然エネルギー実質100%プランもある自然エネルギーに特化した会社
自然電力のでんき

【エルピオでんき】新電力では非常に安い価格設定となっており人気の高い新電力会社になります。様々なプランがありますが、市場連動プランも用意されております。

超格安電力サービス【エルピオでんき】

 【ダイレクトパワー】2021年2月現在は新規受付はしておりませんが市場連動プランを採用している新電力会社になります。

他にもございますが新規受付を停止している会社が多い状況となっております。

市場連動型のプランから他の会社に切り替えたい

現在市場連動型のプランを利用していて、今後は仕入の価格に変動がない安定した新電力のプランに変更を検討している方はこちらの記事を参考にしてください。全て市場連動型ではなく電気代の単価設定も安くオススメできる新電力会社になります。また電気代のシュミレーションが一括でできるサイトもあります。

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まとめ

2016年の電力自由化後に登場した新しい「市場連動型」のプランにはメリットとデメリットがあります。市場連動型のプランを契約する前にはよく理解した上で契約するのがよいでしょう。電力自由化により私たち消費者が自分でエネルギーを選択できるようになりました。自分のライフスタイルにあった最適な電力会社を選びましょう。