プロパンガス

プロパンガスの「CP価格」って何?ガス料金に反映されるまでを徹底解説!

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日本はほとんどのプロパンガスを海外からの輸入に頼っており多くは中東やアメリカから輸入されております。このプロパンがガスを輸入する価格は毎月変動します。今回は全国2400万世帯が利用するプロパンガスの料金に大きく関わってくる「CP価格」について解説していきます。

プロパンガス価格の「CP価格」って何?

CP価格(contract price)とは、プロパンガスを輸入する取引価格で、サウジアラビアの国営ガス会社である「サウジアラビアムコ社」から通告される価格が『CP価格』になります。このCP価格は日本が外交で交渉して値段を決めているわけではなくサウジアラムコ社が一方的に決める価格です。サウジアラムコ社は原油・シェールガスの動向や世界のLPガス産出国のスポット入札価格など総合的に判断して、このCP価格を決定しております。単位は$/tという単位で表されサウジアラビアなどのLPガス輸出国の港で用いられる船積み価格の事になりますのでこのCP価格に日本までのタンカーでの輸送料や保険料などは含まれておりません為替の変動も反映されておりません。日本までの輸送料や保険料などを含んだ価格はCIF価格と呼ばれています。

“エネくらべ君”
“エネくらべ君”
日本はサウジアラムコ社から『ガス1tあたり○ドルです』と通告された価格で、ガスを買っているのが現状です。資源を輸入に頼る日本はどうしても立場が弱いですね。 

CP価格だけではなく『MB価格』もある

サウジアラビアのサウジアラビアムコ社から通告される価格が『CP価格』ですが、CP価格と似たような価格の指標に『MB価格』というのがあります。このMB価格はアメリカのテキサス州モントベルビュー市のLPG基地におけるプロパン取引価格になります。アメリカで生産されたガスはパイプラインでテキサスに集められ精製されるため、ここでの取引価格がマーケット指標価格となっています。このMB価格が日本のガス料金にも影響してきます。2017年までの日本はガス価格を決定するときに全てCP価格が採用されていましたが、2017年以降は『MB価格』も取り入れております。大体の元売り会社がCP価格70%、MB価格に30%連動しております。簡単にまとめると中東のガスが7割、アメリカのガスが3割で日本のプロパンガスの仕入が構成されております。

「CP価格」が上がるとガス料金も上がる?

CP価格を決定する要因は原油価格にあります。原油が上がるとガソリンや灯油などの石油製品が値上がりますよね。同様に原油価格に影響があるCP価格も上がります。このCP価格を元に日本の輸入元売りがガス会社に仕切り価格を算出しますのでガス会社が原油価格が上がると仕入れが上がり、一般家庭のガス料金も上がる仕組みになります。特に北半球での需要が多い冬場はプロパンガスの原油換算率も高騰して原油の120~140%となるケースもあるようです。

CP価格の推移

CP価格がどのように推移しているのか見てみましょう。下記のグラフは2020年10月 ~2021年10月までのCP価格の推移表になります。コロナの影響で世界経済が停滞するという観測から2020年前半は原油価格が低迷しておりましたが、徐々にワクチンの普及で経済活動が再開され原油価格も回復しCP価格も徐々に値上がりになっております。ちなみに2021年12月のCP価格は795ドルになっております。2021年11月が一番高い860ドルから比べると少し下がってはおりますが以前高い水準で推移しております。

大阪ガス資料引用

“エネくらべ君”
“エネくらべ君”
コロナの影響で下がっていた原油価格は世界経済の回復とともに右肩上がりで推移していました。しかし最近の原油価格は新たな変異株が発見されると一気に値下がりする影響もあるからすごく不透明なんだ。 

今後のCP・原油の見通しは?

原油価格及びCP価格は今後もコロナウイルス次第となってきます。2021年は11月中旬まで右肩上がりで推移していた原油価格も11月末に変異種のコロナウィルス「オミクロン株」が発見されると世界的がまたロックダウンするのではないかという憶測で原油価格が10%を超える暴落になりました。コロナ関連のニュースで乱高下することもあると思いますが、長期的にみるとこのWITHコロナとなり徐々に経済活動が再開してくると思われます。国際エネルギー機関(IEA)が予測している2022年の原油価格は

北海ブレント原油:1バレル=79.40ドル

となっております。

IEAは「世界の石油市場はあらゆる面で逼迫しているが、供給が増えているため価格上昇は近く一服する可能性がある」と予想しております。

2021年12月の原油価格

“エネくらべ君”
“エネくらべ君”
原油価格の予測は難しいですが、おそらくまたコロナの影響で世界中がトックダウンしなければ原油が2020年代のときみたいに50ドル以下になることはなく、60ドル~80ドル代くらいで推移していく可能性の方が高いと思うよ。 

ガス会社を見直すだけでガス代が安くなる?

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まとめ

日本はどうしても資源がないので原油やプロパンガスを輸入しなければなりませんが特にCP価格はサウジアラビアの国営企業から一方的に通告される金額ですので交渉でき余地はありません。シェール革命以降はガスの価格も原油価格も落ち着いておりましたが、コロナの影響で原油の見通しも非常に立てづらい状況であります。私たちが生活に欠かすことのできないガスだからこそ価格も安定して欲しいと思います。