ここ最近電気の安全点検と装う詐欺や窃盗が頻繁しております。悪質な業者が電気の点検と装い訪問し「このまま電気の配線を修理しないと危ない」など脅して工事費を請求するケースもおります。今回は相次ぐ電気点検の詐欺について各電力会社から出ている【注意喚起や詐欺の防ぎ方】をまとめましたので紹介していきます。
目次
電気設備の安全点検とは?
電気設備の点検とは全国にある10の「電気保安協会」が点検したり電力会社が点検することを指します。電気設備の点検は事故や火災の危険を減らし、安心して電気を使えるようにすることが目的になります。4年に1度、電気の定期調査を実施することを義務づけられています。点検の内容は下記になります。
- 引き込み線の点検
- 分電盤の点検
- 漏電の有無の測定
- ブレーカーの点検
- 屋外の配線の状態や野外の電気設備の点検
- 消費者の希望により、屋内の配線や使用電気機器の点検
電気設備の安全点検の流れ
それでは実際の電気の点検の流れを見てみましょう。
STEP①「電気設備の定期調査のお知らせ」はがきが届く
そこに記載された訪問期間内に、調査員が訪問してきます
STEP②訪問し問診を受ける
調査員がハガキで事前に案内した日に訪問し、まずは消費者との電気の設備状況や使用状況の確認を行います。
STEP③分電盤測定や点検
屋内の分電盤や屋外の計量器を測定し漏電していないか確認します。調査にあたり停電が必要になる場合は事前に消費者の了解を得て実施します。そのほかブレーカー以外にも点検してほしい要望があれば点検を実施します。
STEP④結果のお知らせ
電気設備の点検の結果をお伝えします。もし電気設備に改修が必要な場合は消費者より電気工事屋さんに相談します。
電気設備の安全点検の費用は?
それではこの電気設備の「定期調査」には費用はかかるのでしょうか?
→定期調査は無料で手数料は一切かかりません。
この電気の設備点検に費用がかかりませんので詐欺に注意しましょう。
電気保安協会とは?
各電力会社は各家庭の電力安全点検を『〇〇電気保安協会』に委託しております。関東であれば東京電力が「関東電気保安協会」に委託して電気の調査を行なっております。この「○○電気保安協会」は全国に下記のように10ヶ所の電気保安協会があります。
- 北海道電気保安協会
- 東北電気保安協会
- 関東電気保安協会
- 中部電気保安協会
- 北陸電気保安協会
- 関西電気保安協会
- 中国電気保安協会
- 四国電気保安協会
- 九州電気保安協会
- 沖縄電気保安協会
電気保安協会の目的は、電気設備を定期的に保安点検することで事故や火災の危険を減らし、消費者が安心して電気を使えるようにすることになります。
電気定期点検詐欺の事例
電気の設備点検を装い詐欺を行う手口はどのようなものなのでしょうか?各電力会社からの公表されている被害ケースをみてみます。
- 電気会社の社員を装い、電気工事を勝手に実施し電気工事代と請求する
- 電気保安協会を装い、「お客様の設備が老朽化しているので修理が必要」と言って電気工事の費用を請求する。
- 電力集金員を装い、「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」を使って、電気料金を支払うよう要求する。
- 電気点検を装い、設備を直さないと火事になると脅かし、実際には工事をしないにもかかわず代金を請求する。
- 電気が漏電していると言って電気設備を買い替えを不当にすすめる
- 電気の点検と装って、宅内に上がり込み、目を離したすきに金品を盗み取る。
電気の点検は事前に連絡はあるのか?
電気の点検には事前に電力会社や電気保安協会から連絡は来ないのでしょうか?一般的には電気保安協会による定期調査のお知らせがポストに投函されます。そのお知らせに日程が記載されていますが、電気保安協会に連絡し日程を調整することは可能です。何らかの理由で事前に連絡が来ずいきなり点検にくるケースが合った場合は電気保安協会か電力会社に問い合わせをしましょう。
電気点検を装う詐欺に騙されないために
先程の事例のように詐欺を行う人は巧みな話術であなたに迫ろうとしてきます。もしこのような人が家に来たらどうすれば良いのでしょうか?各ガス会社は下記のような注意喚起をしております。
【電力会社の注意喚起一例】
- 会社の社員証を携帯している
- 訪問する際は訪問目的を伝え会社名・氏名を名乗っているか
- 電力会社の制服や名札を原則として着用していたり、○○保安協会名の入った「腕章」と「調査員証明書」している
- 「○○電気保安協会」の名称入りの「車両」で訪問してきているか。
- 事前に案内文章を配っているか
- 検針票をもとに電気代の集金することはない。
偽の調査員を見分ける方法
家の安全を守るため、電気設備の点検は欠かせませんが、詐欺師が調査員を装って不当な請求を行うことがあります。実際に、保安協会の名を騙る不審な勧誘が問題になっており、公式ウェブサイトでも注意喚起がされています。正規の調査員と偽者を見分ける方法を把握し、安心して点検を受けられるようにしましょう。
見分け方その1:服装と携行品の確認
- 正規の調査員の服装: 正規の調査員は一定の制服を着用しており、公式サイトでその詳細が確認できます。また、必要な作業道具を携帯しているため、不備がないかチェックしましょう。例えば、高所作業が伴う場合、脚立などの携帯も一般的です。
- 調査員証の提示: 調査員は身分を証明する調査員証を携帯しています。来訪時には必ず調査員証を提示してもらい、その真偽を確認することが重要です。
見分け方その2:行動と発言のチェック
- 通常の業務範囲を超える提案: 正規の調査員は点検のみを行い、金銭の要求や、株式の販売、特定の製品の推奨などは一切行いません。点検以外の提案を始めた場合は、その場で関連する保安協会へ連絡を取り、相手の身元を確認することが推奨されます。
- 料金の要求: 安全点検では料金を請求することは通常ありません。もし点検の際に料金を要求された場合は、支払いを拒否し、直ちに信頼できる連絡先へ報告してください。
電話での詐欺に注意
最近では電話で「○○保安協会」に類似した社名を名乗る場合もあります。基本的に電力会社から委託されている電力保安協会が勧誘電話をすることはありません。「電力が安くなるので検針伝票を見せて欲しい」、「設備が老朽化しているので訪問させていただきます」などの電話は怪しいです。怪しいと思ったら電気保安協会に電話して確認しましょう。
ここでは、ニセ電話に関する事例を紹介し、どのように対処すべきかを説明します。
事例1:
「関西電気保安協会を装った者から、『電力会社からの依頼を受けており、電気の点検を行うため訪問させていただきます』という内容の電話がありました。問い合わせをしようと連絡先を尋ねたところ、相手は突然電話を切断しました。」
事例2:
「同じく関西電気保安協会を名乗る者から、『動力電気の料金を削減する方法があります。詳しくは設備を見せていただきたいので、今すぐ訪問させてください』との連絡がありました。この電話が夕方6時過ぎにかかってきたため、工場の操業時間外であったことから怪しいと感じ、断りました。」
詐欺の疑いがある電話の対策方法は?
何だかこれは怪しいなと思ったら以下のことを確認してみましょう。
- 非通知の電話は特に注意
- 不審な場合は連絡先を確認しておく
- 勧誘行為は即答しない、一度電話を切る
- 身分証明を求められた場合は応じない
まとめ
電力保安点検を装う詐欺被害は増えている状況です。電気設備点検を受ける際にはしっかりと身分を確認しましょう。もし少しでも怪しいと思ったらドアを開けずにインターホン越しに断ってしまいましょう。後日電力会社や電気保安協会に連絡して改めて来てもらえばいいのです。